地上事故の調査及び報告に関する達を次のように定める。
地上事故の調査及び報告に関する達(登録報告)
地上事故の調査及び報告に関する達(昭和57年航空自衛隊達第30号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条−第3条)
第2章 調査及び報告等(第4条−第14条)
第3章 雑則(第15条−第18条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この達は、航空自衛隊における地上事故の調査及び報告に関し必要な事項を定め、もって地上事故の実態を明らかにし、事故防止に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この達において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 装備品 防衛庁組織令(昭和29年政令第178号)第134条第3号に規定する航空装備品等(構成品、取付品及び部品を含む。)をいう。
(2) 車両等 道路運送車両法(昭和26年法律第185号) 第2条第1項に規定する道路運送車両及び道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11の2号に規定する自転車並びに自衛隊の使用する自動車に関する訓令(昭和45年防衛庁訓令第1号)第1条に規定する自動車及び航空自衛隊車両等運用規則(昭和52年航空自衛隊達第17号)第3条第2号に規定する走行器材類をいう。
(3) 施設 航空自衛隊における施設の取扱いに関する達(昭和51年航空自衛隊達第9号)第2条第2号に規定する施設及び同達第29条に規定する仮設物をいう。
(4) 部隊等 編制部隊並びに独立して所在する編制単位群部隊及び編制単位部隊並びに機関及び地方機関並びに航空幕僚監部並びに自衛隊法(昭和29年法律第165号)第22条第2項の規定により長官が臨時に編成する部隊をいう。
(5) 部外物件 航空自衛隊の所有する物件以外の物件をいう。
(6) 事故発生部隊等
ア 隊員による事故については、事故当事者である隊員が事故発生時に所属していた部隊等をいう。ただし、隊員が入校、教育入隊、臨時勤務又は演習等による一時的な配属替え(以下「入校等」という。)中の場合は、入校等先部隊等をいい、入校等先部隊等が航空自衛隊以外の部隊又は機関である場合は、当該隊員の所属する部隊等をいう。
イ 装備品又は施設の事故については、事故に関係する装備品又は施設を管理する部隊等をいう。
ウ 事故当事者である隊員の所属する部隊等又は入校等先部隊等と事故に関係する装備品又は施設を管理する部隊等が異なる場合は、当該隊員の所属する部隊等又は入校等先部隊等をいう。
エ 訓練招集中の予備自衛官の事故については、訓練招集先部隊等をいう。
(7) 重傷 2週間以上の入院若しくは入室(以下「入院等」という。)を要する見込みの負傷又は帰郷療養若しくは自宅休養(以下「休務等」という。)による2週間以上の治療を要する見込みの負傷をいう。
(8) 軽傷 重傷に至らない負傷で入院等若しくは休務等を要する見込みの負傷又は2週間以上の治療を要する見込みの負傷をいう。
(地上事故の範囲)
第3条 この達に定める地上事故の範囲は、課業時間及び基地又は分屯基地の内外を問わず、次の各号に掲げるものとする。ただし、航空事故の調査及び報告に関する達(昭和60年航空自衛隊達第25号)第2条第1号に規定する航空事故を除くものとする。
(1) 航空自衛隊に所属する隊員の死亡又は負傷(以下「死傷」という。)
(2) 航空自衛隊が使用する装備品若しくは施設の滅失又は損壊(以下損壊等という。)
(3) 航空自衛隊に所属する隊員が関係する事故による人の死傷
(4) 航空自衛隊に所属する非常勤の隊員の職務に関し発生した事故による人の死傷又は装備品若しくは施設の損壊等
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事故は、地上事故に含まないものとする。
(1) 異常な自然現象による装備品又は施設の損壊等
(2) 装備品に組み込まれている部品等の欠陥による当該装備品の損壊等
(3) 故意による人の死傷又は装備品、施設若しくは部外物件の損壊等
(4) 自衛隊法第6章に定める自衛隊の行動(災害派遣、地震防災派遣及び原子力災害派遣を除く。)並びに自衛隊法第95条に規定する武器等の防護及び同法第95条の2に規定する自衛隊の施設の警護並びに基地司令及び基地業務に関する訓令(昭和41年航空自衛隊訓令第1号)第4条第1号に規定する基地の警備の際における直接被害及び直接被害と推定されるもの
(5) 研究開発のための装備品又は施設の損壊等
(6) 疾病又は医療事故による人の死傷
(7) 傷害の再発。ただし、新たな事故によって再発した場合を除く。
(8) 部外物件だけの損壊等。ただし、任務遂行中に発生した場合を除く。
(9) 部外への委託(輸送、定期整備等)中の装備品の損壊等又は部外者の死傷
(10) 予備自衛官の訓練招集中以外における事故
(11) 延焼による装備品又は施設の損壊等
第2章 調査及び報告等
(事故の種別)
第4条 地上事故の種別を、次の各号に掲げるとおり区分する。
(1) 業務事故 業務上の事故であって、第2号から第6号までに該当しないもの。
(2) 体育事故 航空自衛隊の練成訓練に関する達(平成4年航空自衛隊達第11号)第4条第3項の規定に基づく体育訓練(以下「体育訓練」という。)実施中における事故
(3) 交通事故 次に掲げる交通上の事故をいう。
ア 航空自衛隊の所有若しくは使用する車両等(以下「官用車」という。)又は官用車以外の車両等(以下「私有車両等」という。)による道路(道路交通法第2条第1項第1号に規定する道路をいう。)における事故
イ 歩行中の事故
ウ 公共交通機関を利用中に発生した当該公共交通機関による事故
(4) 武器等事故 武器、弾薬及び火工品の取扱い上の事故
(5) 爆発事故 火薬類、燃料油脂類及び高圧ガス等の爆発による事故。ただし、武器等事故に属するものを除く。
(6) 火災事故 火災による事故。ただし、交通事故、武器等事故又は爆発事故に起因するものを除く。
(7) その他の事故 前各号に該当しない事故
(事故の程度)
第5条 地上事故の程度を、次の各号に掲げるとおり区分する。ただし、程度の決定が困難である事故の場合は、次の各号に掲げる区分のうち重いものによるものとする。
(1) 大事故
ア 事故に直接起因する死亡(死亡診断書の記載に因果関係が認められるものを含む。)を伴ったもの。
イ 負傷による障害が人事院規則16−0(職員の災害補償)第25条の2に規定する傷病等級に該当するもの。
ウ 装備品又は施設の損壊等見積価格の合計が500万以上の事故
(2) 中事故
ア 重傷を伴った事故
イ 装備品又は施設の損壊等見積価格の合計が100万円以上で500万円未満の事故
(3) 小事故
ア 軽傷を伴った事故
イ 装備品又は施設の損壊等見積価格の合計が50万円以上で100万円未満の事故
(4) 微事故
前各号に掲げる事故に至らない事故
2 航空自衛隊に所属する隊員以外の人の事故の程度の決定は、前項に準ずるものとする。
(損壊等見積価格)
第5条の2 損壊等見積価格の算定については次によるものとする。
(1) 国有財産については、国有財産法施行令第19条の規定に基づき国有財産が滅失又はき損した場合における損害見積価格の算定方法について(蔵理第1887号44.4.28)による。
(2) 国有財産を除く物品については、航空自衛隊物品管理補給規則(昭和43年航空自衛隊達第35号)第91条による。
(事故報告)
第6条 長官直轄部隊の長及び機関の長(幹部候補生学校長、術科学校長及び補給処長を除く。以下、同じ。)は、当該部隊等又は隷下若しくは管理下の部隊等の地上事故(微事故を除く。)について、別紙様式第1に定める地上事故月報により、事故が発生した月の翌月20日までに航空幕僚長(監理監察官気付)に報告(1部)するものとする(20−X31−2(D))。ただし、非該当の場合は、電話等による伝達とする。
(事故調査)
第7条 事故発生部隊等の長は、調査官を指名し、事故発生後、直ちに事故調査を実施するものとする。ただし、第9条に規定する地上事故調査委員会が事故調査を実施する場合は、これに協力するものとする。また、事故が遠隔の地で発生し、調査を実施することが著しく困難な場合には、事故発生現場の最寄りの部隊等の長に調査を依頼することができる。
2 前項の規定により、調査の依頼を受けた部隊等の長は、部隊の業務に著しい支障を及ぼす場合を除き、調査を実施するものとする。
3 事故発生部隊等の上級部隊等の長(以下「上級部隊等の長」という。)は、事故の内容が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときには、調査官を任命して調査を実施するものとする。
(1) 事故発生部隊等の調査能力を超えていると認められる場合又は当該部隊等で調査することが不適当と認められる場合
(2) 航空自衛隊以外に及ぼす影響が極めて大であると認められる場合
(3) 事故が指揮系統を異にする二つ以上の部隊等に関係しており、かつ、重大なものと認められる場合
4 事故発生部隊等の長又は上級部隊等の長は、事故調査を航空自衛隊以外の部隊又は機関に対して依頼する必要がある場合には、その旨を速やかに航空幕僚長(監理監察官気付)に上申するものとする。
(事故調査報告)
第8条 事故発生部隊等の長は、武器等事故は大事故、中事故について、武器等事故以外の事故については大事故について、また、上級部隊等の長は事故調査を実施した当該事故について、別紙様式第2に定める地上事故調査報告書を作成し、事故が発生した日から次の各号に定める期間内に順序を経て航空幕僚長(監理監察官気付)に報告するものとする(20−X31−1AR(D))。ただし、交通事故のうち、公共交通機関を利用中に発生した当該公共交通機関による事故については、報告の対象から除くものとする。
(1) 長官直轄部隊の長及び機関の長 20日
(2) 前号以外の部隊等の長 上級部隊等を経由して報告する場合、経由先部隊等ごと前号に規定する期間に10日を加算した期間
2 前項の報告を実施すべき者がやむを得ない理由により規定した期間内に報告できない場合、速やかにその理由、報告時期の見込みその他必要な事項について順序を経て航空幕僚長(監理監察官気付)に報告するものとする(登録外報告)。
(地上事故調査委員会の設置)
第9条 航空幕僚監部に地上事故調査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、航空幕僚長が、その都度示す事故について事故調査を実施する。
(委員会の組織)
第10条 委員会は、委員長、委員、主任調査官、調査官及び専門調査官をもって組織する。
2 委員長は、航空幕僚監部監理監察官の職にある隊員をもって充てる。
3 委員は、航空幕僚監部監察官の職にある隊員及び事故の態様に応じてその都度、航空幕僚長が指名する航空幕僚監部の課長等の職にある隊員をもって充てる。
4 主任調査官及び調査官は、航空幕僚長が指名する航空自衛隊の隊員をもって充てる。
5 専門調査官は、必要に応じて航空幕僚長が指名する航空自衛隊の隊員をもって充てる。
(委員長、委員、主任調査官、調査官及び専門調査官の職務)
第11条 委員長は、委員会の会務を総括する。
2 委員は、委員会の議事に参加する。
3 主任調査官は、現地調査を行い、事故発生の日から60日以内に現地調査書を作成して委員長に提出する。
4 調査官は、主任調査官の指示に従って、現地調査及び現地調査書の作成について、主任調査官を補佐する。
5 専門調査官は、主任調査官の指示に従って、専門的事項の調査を行うほか、現地調査書の作成について、主任調査官を補佐する。
6 委員会の構成員が事故に関係する場合には、当該事故についての事故調査の職務の従事から除外するものとする。
7 委員長が不在の場合又は委員長が前項の規定により職務の従事から除外された場合の処置については、その都度示す。
(委員会の運営)
第12条 委員長は、地上事故の調査に関して委員会を招集する。
2 委員会は、現地調査書に基づき、調査の内容、原因の決定及び事故防止方法に関する意見について審議するものとする。
3 委員長は、主任調査官その他の必要と認める隊員を委員会に出席させて、意見を述べさせることができる。
4 委員会の庶務は、航空幕僚監部副監察官が行うものとする。
5 委員は、部下職員のうち、適当と認める者を指名して審議の準備等に関し、補佐させることができる。
(地上事故調査報告書の提出)
第13条 委員長は、委員会の審議を経て、地上事故調査報告書を作成し、事故発生の日から90日以内に航空幕僚長に提出するものとする。
(他部隊等への通知)
第14条 事故発生部隊等の長又は上級部隊等の長は、同種事故の再発防止等のため地上事故の内容を他部隊等に知らせる必要があると認める場合には、関係する部隊等の長、基地司令及び分屯基地司令に通知するものとする。
第3章 雑則
(事故調査報告書の使用制限)
第15条 地上事故調査報告書は、事故の再発防止のために使用することを目的とし、隊員の勤務状況を判定する資料及び懲戒処分の証拠等に使用してはならない。
(事故調査報告書の保存期間)
第16条 地上事故調査報告書の保存期間は、5年とする。
(事故調査報告書の閲覧)
第17条 事故発生部隊等の長又は上級部隊等の長は、事故調査内容について事故に関係する装備品の製作又は施設の建設等に関係する会社の代表者から説明を求められた場合には、航空幕僚長の承認を得て地上事故調査報告書のうち、関連ある装備品又は施設の技術に関する資料を閲覧させることができる。
(委任規定)
第18条 この達に定めるもののほか、この達の実施に関して必要な事項は、部隊等の長が定めるものとする。
附 則
この達は、平成元年3月16日から施行する。
附 則(平成4年4月3日航空自衛隊達第15号)
この達は、平成4年4月3日から施行する。
附 則(平成5年11月26日航空自衛隊達第42号抄)
1 この達は、平成6年1月1日から施行する。〔後略〕
附 則(平成13年11月8日航空自衛隊達第41号)
この達は、平成13年11月8日から施行する。
附 則(平成15年3月26日航空自衛隊達第8号抄)
この達は、平成15年3月27日から施行する。